普段は月経カップを愛用している私ですが、いざというときのために準備している防災バッグには、使い捨てナプキンを入れています。
「なぜ月経カップを、防災グッズにしないの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
繰り返し使えるエコなアイテムとして注目を集める月経カップですが、防災の場面では必ずしも最適とは言えないからです。
この記事では、なぜ月経カップが防災グッズに向いていないのか、その具体的な理由を詳しく解説します。
月経カップは、本当に災害時に使える?
月経カップを使ったことがある人なら、多くの方が「災害時には使えない」と実感すると思います。
月経カップを安全に使用する場合、以下の条件を満たす必要があります。
- 火(もしくは電気)と、清潔な水が使えること
- プライバシーの確保ができること
- 日頃から使い慣れていること
そもそも消毒や洗浄ができる環境なのか
月経カップは、生理の前後に煮沸消毒を行う必要があります。
これは、カップに付着した菌や汚れをしっかり取り除くためです。
煮沸消毒には、次のような方法があります。
- 鍋で水を沸騰させ、カップを5〜10分間煮沸する。
- 耐熱容器にカップを入れ、電子レンジで5分加熱する。
また、再利用時にはウェットティッシュで拭き取ることも可能ですが、1日に1回は清潔な水と石鹸でしっかり洗浄することが推奨されています。
月経カップを安全に使用するには、煮沸消毒のためにガスや電気が使える環境、そして清潔な水や石鹸が確保できる状況が整っていることが前提です。
プライバシーの確保はできるか
避難所などの共用スペースでは、プライバシーの確保が難しい場合があります。
自宅で避難生活ができるなら問題ありませんが、月経カップの取り外しや洗浄には多少時間がかかるため、落ち着ける環境でなければ大きなストレスとなるでしょう。
とくに、他人の目を気にしないといけない環境では心理的負担が大きく、さらに洗浄の際に十分な設備や清潔な水がないと衛生面でも不安が生じます。
そのため、このような状況では月経カップの使用はハードルが高く感じられるかもしれません。
月経カップに慣れるまで2〜3クール必要
月経カップは、誰でもすぐに使えるというものではありません。
初めて使う際には、挿入や取り外しに手間取ることが多く、慣れるまでに少なくとも2〜3回の生理周期が必要です。
防災グッズとして購入しても、使い慣れていない状態で災害時に利用するのは、現実的には難しいかもしれません。
月経カップを3年以上使用していても、防災としては不向きだと考えます。
「避難所で月経カップを使用する」というのは、衛生面や精神的負担を考えると適していないと思います。
しかし、日常生活を送れる状況で「市販の生理用品が品薄になってしまった」という場合には、月経カップが役立つこともあるかもしれません。
災害時に向いているのは、使い捨ての生理用品
災害時に向いているのは、「使い捨ての生理用品」一択ではないでしょうか。
衛生面での安心感
使い捨ての生理用品は個別包装されており、使用するたびに新しいものを取り出して使えるため衛生的です。
災害時には、清潔な水や洗浄設備が限られていることが多く、月経カップや布ナプキンを衛生的に保つことは難しいでしょう。
使い捨てのナプキンであれば、その都度新しいものを使うことで、不快感や感染症のリスクを減らすことができます。
手軽で扱いやすい
使い捨ての生理用品は、取り扱いが簡単なので、誰でも使うことができます。
月経カップや布ナプキンは洗浄や消毒が必要ですが、使い捨てナプキンなら使用後にそのまま廃棄できるため、ストレスや負担を感じずに使用することができます。
また、避難所や仮設住宅などの環境では、月経カップの交換や洗浄が難しい場面も多いため、使い捨ての生理用品の方が適しています。
汎用性が高い
使い捨てナプキンは、怪我や出血時の応急処置としても便利です。
止血や傷の保護など、さまざまな用途に使うことができます。
さらに、月経カップは衛生面から他人に貸すのが難しいですが、使い捨てナプキンであれば困っている人に貸すことができます。
防災時の生理について準備しておこう
生理がある人は、防災備蓄として生理用品を忘れずに準備しておきましょう。
計画的に備えよう
自分の生理周期や使用量を考慮し、必要な量の生理用品を計画的に備蓄しておきましょう。
防災バッグには最低でも1周期分を用意しておくと安心です。
定期的に備蓄品をチェックし、古くなったものを新しいものに交換することで、いざという時にも安心して使用できます。
困ったときは、布やラップで代用する
被災時に生理用品が手元になかった場合に備えて、代用方法を知っておくと安心です。
シャツやタオルなどの布と、ラップやビニール袋を使って、即席ナプキンを作ることができます。
布を適当なサイズにカットし、ラップやビニール袋で漏れ防止をすることで、緊急時の代替手段として使用できます。
この方法を覚えておくことで、いざという時に生理用品が手に入らない場合でも安心して対処できます。
月経カップを日常的に使うのはアリ
月経カップは衛生面や取り扱いの難しさから、災害時に使用するのは現実的ではありませんが、日常生活で月経カップを使うのはおすすめです。
前回の記事で、月経カップを検討している人へ向けて注意点をまとめています。気になる方はぜひ。
まとめ
以上、月経カップが防災グッズに向いていない理由について解説しました。
月経カップは生理を快適にしてくれる便利アイテムですが、衛生管理や手軽さを考えると、災害時には不向きだと言えます。
防災バッグには使い捨ての生理用品を用意し、万が一の時に備えて代用品の作り方も知っておくなど、いざという時に向けてしっかり準備をしておきましょう。