「子どもの鼠径ヘルニアが見つかったら、どうすればいいの?」
「自然治癒しないって本当?手術はどんな感じ?」
このブログにたどり着いた方は、きっと不安を抱えている親御さんではないでしょうか。
私の娘は半年前(当時4歳)に、そけいヘルニアが見つかり、3ヶ月前に手術を終えました。
娘のヘルニアに気づいたとき、手術が決まったときは、とにかく心配で不安で、体験談をたくさん調べたことを覚えています。
今回は、娘の手術を経験した親として、「実際にどんな流れだったのか」「親が準備しておくべきこと」 などを、私の体験談とともにまとめました。少しでもお役に立てれば嬉しいです。
鼠径ヘルニアに気づいたきっかけ

そけいヘルニアが発覚したとき
娘のそけいヘルニアが発覚したのは、お風呂で体を洗っているときでした。
片側の足の付け根が少しふくらんでいるように見えて、「なんだか腫れてる…?」と違和感を覚えました。
でも、娘は特に痛がる様子もなく、元気そうだったので、ひとまず様子を見ることに。
翌朝には腫れが引いていたため安心しかけたのですが、夕方になるとまた腫れが…。
これはさすがにおかしいと思い、#8000(子ども医療相談窓口)に電話で相談したところ、「緊急性はなさそうですが、後日小児科を受診してください」とアドバイスをいただきました。
この時点ではまだ病名はわからず、夜中にスマホで症状を検索するうちに「もしかして、そけいヘルニアかも…?手術になるのかな…」と、不安な気持ちがどんどんふくらんでいきました。
小児科を受診。セカンドオピニオンも
近所の小児科Aを受診し、「そけいヘルニアですね」と診断されました。
小児科Aからは以下のような説明を受けました。
小児科A
- 「鼠径ヘルニアは嵌頓(かんとん)になるリスクがある」
- 「いまは様子見でも大丈夫。小学生になるまでに自然治癒することもある」
- 「お腹に力を入れると腫れが出やすいから、便秘にならないように気をつけて」
- 「グルテンフリーにしたり、牛乳・人工甘味料を控えると良い」
様子見で大丈夫とのことでしたが、本当に…?と疑問が残り、念のため小児科Bを受診しました。
小児科Bでも「そけいヘルニア」と診断されましたが、医師の見解は少し違いました。
小児科B
- 「自然治癒はほとんど期待できないので、手術を勧めている」
- 「成長してからの手術は、子どもが怖がるケースもあるので、早めに手術したほうがいい」
その場で紹介状を書いていただき、翌日には大学病院を受診することになりました。
そけいヘルニアについて
医学的な詳細は専門サイトにお任せしますが、ここで親として知っておきたいことをまとめます。
- そけいヘルニア:お腹の中の臓器(腸など)が足の付け根(そけい部)から飛び出す状態。
- 手術の必要性:放置すると腸が戻らなくなる「嵌頓(かんとん)」という危険な状態になるリスクがあり、緊急手術が必要になる場合も。
わが家の場合、小児科Aでは「自然に治ることもあるかもしれない」といった説明を受けました。
一方で、小児科Bや大学病院の小児外科では、「鼠径ヘルニアは自然治癒することは期待できず、手術による治療が必要」との説明がありました。
最初は少し迷いもありましたが、「自然に治るかもしれない」と様子を見ている間に、万が一嵌頓(かんとん)になってしまうのは避けたいと思い、手術を決断しました。
手術までの流れとスケジュール

手術までの流れは、このようなスケジュールでした。
鼠径ヘルニアの疑いがある場合、まずはかかりつけの小児科を受診。
専門的な治療が必要と判断されると、紹介状をもらい大学病院へ。
大学病院の小児外科で詳しく診察し、手術日が決定。
(病院の予約状況によっては数週間〜数ヶ月待つことも)
手術の1週間ほど前に、血液検査などを受けます。
入院についての案内も受けるので、質問があれば事前に控えておくと安心。
手術の前日に病院へ入院。
看護師さんから手術日の流れについて、娘にもわかりやすいように絵本や動画で説明を受けました。
全身麻酔での手術。手術室へ見送ってから迎えに行くまでに1時間ほどでした。
手術後はベッドで安静に過ごします。
看護師さんに見守られながら、水分・食事・排泄を確認。
医師の許可が出れば、手術当日の夕方に退院。
退院後は無理をせず、自宅でゆっくり休ませます。
手術は1泊2日の入院で済むとのことで、思っていたよりも短期間で終わることがわかりました。
(娘の様子をみるために、仕事は1週間ほど休みをいただきました。)
手術前の注意点とすれば、風邪や体調不良で延期になることはよくあるそうなので、体調管理を気をつける必要があります。娘の場合も、術前検査の頃に風邪をひいてしまい、1度手術が延期になりました。
入院について知っておきたいこと

実は今回、付き添い入院は2度目の経験です。(昨年、別の症状で入院しました。)
病院によって違いがあるので、今回入院した病院での様子を共有します。
付き添い家族の食事について
付き添いの家族の食事については、事前に申請できるかどうかを確認しておくと安心です。
もし「家族食」の申請が可能な病院であれば、ぜひ利用されることをおすすめします!
今回入院した病院では、付き添いの食事提供がなかったため、自分の食事はコンビニで調達する必要がありました。
(その間は、看護師さんが娘を見ていてくださり、とても助かりました。)

1泊2日の短い入院ではありましたが、それでも少し不便だなぁと感じました。
夜は、あまり眠れないかもしれない
今回、わが家は大部屋での入院でした。
慣れない環境ということもあり、娘はなかなか寝つけない様子…。
病室の外からは医療機器の音が聞こえてきたり、別のお部屋の赤ちゃんの泣き声が聞こえてきたりと、いろいろな音が気になっていたようです。
それから、ベッドの柵が少し当たるたびに「キュッ」と音がするのも気になって…。
同室の方を起こしてしまわないかと心配になり、寝返りを打つのにも気を遣ってしまいました。
そのせいか、私自身もなかなか熟睡できず、朝まで浅い眠りが続いていたように思います。
手術当日の流れ、朝から退院までの1日

手術前の朝
手術当日の朝は、看護師さんの声かけで、手術前最後のお水を飲ませました。食事はありません。
手術の30分前になると、少しぼんやりする作用のあるシロップを服用。
娘は意外にも元気で、移動の直前までおもちゃで遊びながら待機していました。
けれど、いよいよ手術室へ移動する時間になると、不安が高まったのか、娘は泣き出してしまいました。(こわいよね……。)
「ママも一緒に行くよ」と声をかけて抱っこし、手術室の前まで一緒に向かいます。
到着すると、先生や看護師さんが優しく迎えてくださり、「よろしくお願いします」と娘を預けました。

そのときの先生方の表情や声かけが、本当に頼もしく感じました。
娘を見送ったあとは、私は病棟内のコンビニで軽く朝食を買い、病室で静かに待機しました。
手術後の様子
およそ1時間ほどで手術が終わり、娘を迎えに行くと、ベッドの上で静かに涙を流していました。
本当によく頑張ってくれたなぁ…と、胸がいっぱいになりました。
病室に戻ってからは、看護師さんが定期的に体温や血圧を確認してくださり、娘はぐっすりと眠っていたので、私はそばで静かに見守っていました。
目が覚めたあとは、水分補給・食事・排泄が問題なくできるかを、看護師さんと一緒に確認。
医師の許可も出て、その日の夕方には退院となりました。
娘は歩けないわけではなかったのですが、無理をしてほしくなかったので移動のときは常に抱っこしていました。
帰宅後、背中を少し丸めてお腹をかばうような姿勢で、やっぱり少し痛みが出てくるようでした。
退院後の注意点

退院後の過ごし方について、医師からは以下のように説明を受けました。
- シャワーはOK、湯船に浸かるのはNG
一週間後の診察で確認するまでは、湯船やプールに浸かるのは控えるようにとのことでした。 - 運動制限は特になし
通園も問題なく可能とのことでした。
私は念のため、1週間ほど仕事をお休みして娘の体調を見守りながら過ごしましたが、
本人はとにかく元気いっぱいで、特に大きな問題もなく過ごすことができました。
手術から1週間後の検診を終えた後は、通常通り通園を再開。手術後の回復が順調で、ほっとしました。
鼠径ヘルニア手術を終えて。親として感じたこと

「お医者さんは手術の経験も豊富。大丈夫。」と頭では理解していても、「もしものことがあったら…」という不安は、正直手術が終わるまで完全には消えませんでした。
それでも、今回の手術を振り返ると、「早いうちに手術を終えられて本当によかった」と、改めて強く感じています。
早期手術のメリット
- 乳歯が抜ける時期だと、全身麻酔にリスクがある
乳歯がグラグラしていると、麻酔時に誤嚥のリスクがあると聞きました。 - 小学生くらいになると、手術に対する恐怖心が強くなる
物事を深く理解できるようになると、娘自身がもっと恐いと感じていたかも。 - 鼠径ヘルニアは嵌頓(かんとん)になるリスクがある
嵌頓になるかもしれない、という不安が手術後にはすっかりなくなりました。
手術が終わるまでは不安でいっぱいでしたが、今娘が元気に遊んでいる姿をみると「このタイミングでやっててよかった」という気持ちが大きいです。
ちなみに娘の場合、当初は片側だけが腫れているように見えていたのですが、大学病院での診察で実は両側ともヘルニアだったことが分かりました。(そのため、両側を同時に手術していただきました。)
親ができることは?

お子さんがそけいヘルニアの疑いがあった場合、親ができることについて。
正しい情報を集める
自己判断はせず、「あれ?ちょっとおかしいかも」と違和感を覚えたら、迷わずお医者さんに相談することをおすすめします。
診察を受けても不安が残る場合には、セカンドオピニオンを検討するのもひとつの選択です。
私自身も、小児科Aと小児科Bで診断が分かれたため、最終的には大学病院で丁寧な説明を受け、納得して手術を決めることができました。
親の役目は、子どもをしっかり支えること
もちろん、親として不安や心配でいっぱいになりますよね。でも、実際に一番不安で、負担がかかるのはお子さん自身です。
だからこそ、できるだけ安心できるように寄り添い、そばで見守ってあげることが大切だと感じています。
その分、親も環境の変化やサポートで疲れが溜まりがち。自分自身の心と体のケアも、どうか大切にしてくださいね。
医療従事者の皆さんに感謝!

子どもの手術や入院は、親として本当に不安で、心配なことばかりですよね。
それでも、私たちにできるのは、子どもが少しでも安心して過ごせるよう、そばで寄り添い、サポートすることだと思います。
今回の経験を通して、私自身もたくさんの学びがありました。
「全身麻酔って怖いな」と感じていた私でしたが、手術中は麻酔専門の先生が一瞬も目を離さず、丁寧に管理してくださっていることを知り、安心することができました。
また、鼠径ヘルニアの手術跡は予想以上に小さくて、「こんなに小さな傷で手術ができるの?!」と、外科の先生方の技術に驚きました。
医療従事者の皆さんには心から感謝しています。
これからお子さんの手術を控えている親御さんにとって、この記事が少しでも気持ちを軽くする助けになれたら嬉しいです。
入院時の持ち物は、前回の付き添い入院のときに書いた記事を参考にしました。
